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東京慈恵会医科大学ウイルス学講座

最新!疲労・ストレス講座 15

15話解説

  最近、盛んに「コロナウイルスとの共存」という言葉を耳にします。この基になっているのは、「ウイルスの本来の目的は自分の子孫を増やすことで、ヒトを病気にすることではない」という考え方だと思います。ウイルスは単独では増えることが出来ないので、宿主とよばれる他の生物の細胞を利用して増殖します。この時、ウイルスの生存にとって絶対に必要な種類の生物を固有宿主と呼びます。ウイルスは固有宿主が病気になったり数が減ったりすれば、自分自身の生存に悪影響があるので、固有宿主をとことん痛めつけることはしないものなのです。

ヘルペスウイルスは固有宿主の体内で一生涯にわたって潜伏感染するので、宿主が元気で長生きしてくれることは、ヘルペスウイルスの生存にとって非常に有利です。この観点で見た場合、SITH-1はヒトの生存の役に立っている部分もあるのではないか、というのが今回のお話です。

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