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東京慈恵会医科大学ウイルス学講座

最新!疲労・ストレス講座 14

14話解説

  マンガでも解説しているように、ヒトの遺伝子に対する研究は、ヒトゲノム⇒マイクロバイオーム⇒メタゲノムというように、対象とする遺伝子の数がどんどん大きくなっています。推定ですが、メタゲノムを全部調べようとおもったら、ヒトゲノムの10,000倍くらいの労力、時間、お金がかかると思います。また、例えばHHV-6などのヘルペスウイルスでは、脳や神経節などの検体が採取できない部分に潜伏感染しているので、現実にはメタゲノム解析によってSITH-1などの病気の原因となる遺伝子を見つけることは出来ません。

  我々が、うつ病の原因遺伝子としてSITH-1を見つけた方法は、もちろんメタゲノムを全部調べたわけではありません。HHV-6の潜伏感染の研究を理論的に発展させて、SITH-1とうつ病との関係を推定し、実際に検証を行いました。この際に威力を発揮したのが、末梢血の中の抗体を利用してSITH-1の発現を特異的に調べる方法です。マンガの中でも書いていますが、この方法は、実はこれまでにない特殊な方法です。

この抗体を利用した検査法は、嗅球に直接針を刺さなくても、採血するだけでSITH-1の発現を知ることができるので、とても便利で実用的です。もちろん、実際に嗅球に針を刺すなどということが出来ないのは言うまでもありません。現在、この方法を利用して、うつ病のなりやすさを調べる検査の実用化に向けて、開発を進めているところです。

  また、SITH-1の12.2倍うつ病になりやすくて、うつ病患者の79.8%が関係というのは、実はとてつもなく大きな数です。マンガの中でSITH-1のメカニズムとして紹介している、脳のストレスの亢進ということだけでは、この数字は説明しきれません。そこで我々は、SITH-1にはもっと大きな働きがあるのではないかと考えて研究を進めています。乞ご期待です。

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